はじめに
こんにちは! 地方国公立の高校から東京大学理科二類に進学した私から、「 果たして自分が東大に合格できるのか? 」と不安に思っている人へ向けて、私の受験期の不安や悩みについて書かせていただきます。
この記事を読んで東大を目指す方や受験・大学生活への不安が和らぐ方が増えたら嬉しいです。
東大は天才が目指すもの?
受験生時代の私はとにかく自信がなく、劣等感に駆られながら勉強していました。東大といえば「日本一」、テレビなどで目にする東大生もみんなすごい人ばかりで、「 私みたいな平凡な人間が東大なんて目指していいのか? 」という思いを抱えていました。
授業中も、数学の問題の解法について話し合う際に自分から提示できる考えなんてないし、周りの議論についていくこともできず、他の東大志望者とのレベルの差を感じて不安になっていました。
上記の悩みや不安の原因は全て自分の学力の低さにあることは明らかだったので、勉強して成績をあげる他にこの不安を解消する方法はないと分かってはいましたが、成績はそう簡単に上がりません。
そこで私は主に以下の三つの方法で不安を軽減していました。
一つ目は、 気持ちの切り替え です!
授業での議論後や模試が返却される度に自分のレベルの低さにがっかりし「こんなレベルで東大を目指している人なんて私以外にいるのかな…」と思っていました。
しかし、ある日「自分は模試で最下位なんてことはないし、東大志望者なんて星の数ほどいる! 」ということに気づき「 自分と同等かそれ以下の東大志望者もいる 、当たり前だけど 受験は何が起こるかわからない からやってみるしかない! 」といったマインドを持つようになってからはとても気持ちが楽になりました。
最下位をとったことがない人はもちろん、ある人でも、毎回最下位! とかではないと思うので、頑張ってみてほしいと思います!
二つ目は、 自分のレベルの低さを完全に受け入れて、賢い人の考え方や知識を全て吸収しようとすること です。
例えば、問題の解法を議論するときにとても初歩的な質問をすることを恥ずかしがらないようにしたり、成績がいい人の勉強法やノートの取り方を完全に真似したりすることです。
自信を持つためには知識を身につけ、学力を上げる必要があります。それを達成するための一番の近道は賢い人の真似をすることだと思います。
自分が東大志望であるというプライドが邪魔をすることもあるとは思いますが、それを捨てることも大事だと感じます。
私もはじめは学力が低く見られるのが嫌で友人に初歩的な質問をするのを躊躇っていました。しかしそれをやめてからは変に気負うこともなく、知識も身についた気がします。
三つ目は、 受験の厳しさを理解している人に不安や悩みを吐露すること です。担任の先生や塾の先生に自分の今の思いを素直に話すことで、心を軽くすることも的確なアドバイスをもらうこともできます。
私自身、高校時代に担任の先生に点数が上がらないことや授業中も一人だけついていけないこと、そして「私なんかがこんなハイレベルな人たちの多いクラスにいるべきじゃないのではないか」という当時の率直な思いを話していました。先生はその度 ただの慰めではなく、適切なアドバイス をくださいました。
最も印象的だったのは、私の苦手教科である数学についてのアドバイスで、「確かに数学力は低い。解答を逐一覚えている様子だから応用できていない。でも、だから、その解法に至る過程やどんなときにその解法が使えるのか、思考のプロセスを重視して勉強すれば良い」という言葉です。
受験や勉強、そして自分自身のことを理解してくれている人に相談する ことで、私は一人で悩みを抱え込んで悶々とすることが減りました。
入学後の不安
上記で述べたような不安があるにも関わらず、「もし合格したら…」といったことを考えてしまいます。そして同級生にも先輩にも知り合いがいないことや、 田舎から大都会東京へ出て行くことに対する不安 が生まれていました。
私には 東大の知り合いがおらず入学後の学校生活を考えるととても不安 でした。
受験期は勉強に追われこの不安には対処する暇がありませんでしたが、入学してからこの不安は完全に杞憂だったとわかりました。
まず、似たような不安を抱えている地方出身者は他にも多くいて、自分が少数派ではないということです。そして、東大は小・中・高と同じようなクラス制度が確立されているため、 コミュニケーションをとるのが苦手な人でも同級生や先輩とのつながりは必ず作ることができます。
次に東京での生活についてですが、地元とは違って東京では電車や地下鉄が主要な交通機関で、人も圧倒的に多いです。田舎暮らしだった私にとって東京のような都会で暮らすことには漠然とした不安を抱えていました。
この不安はもちろん受験期には解消されず、受験のために東京に来て慣れない電車に乗り、人の多さを目の当たりにしたことでむしろ不安が増しました。
そんな私が上京して 3 ヶ月ほど経った今思うのは、 都会の環境には自然に慣れていく ということです。
とはいっても、慣れるために何か努力をする必要はなく、毎日通学をしたり用事があって出かけたりしていれば自然に慣れてきます。私自身もそうですし、周りの友人や先輩も同じことを言います。 初めは不安ですが、必ず慣れてくるので心配は必要ないです!
また、ホームシックになるのではないかと心配する人もいるかもしれません。そんな人たちには東大指定の寮や県民寮に住むことをお勧めします。家に帰っても一人にならない環境に身をおくことで、家族と離れて暮らすことの寂しさや不安が紛れます。
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました! 日本一と称される東大ですが、天才だけが目指す場所ではありません。 誰もが目指すことのできる場所です! 敷居が高いと感じる必要もありません。
合格後の生活についても様々な不安が浮かぶとは思いますが、案外杞憂で終わります。 ぜひオープンキャンパスに参加して東大がどんな場所なのか実際に目にしてみて欲しいです。
FairWind は主に地方高校生の学習支援を目的として地方出身東大生が自身の高校時代や大学生活について話し合うパネルディスカッションや東大生と一対一で話せる個別相談会、東大生と交流できるワークショップなど様々な企画を行っています。ぜひ気軽に参加してみてください!